ローカルマニフェスト型
水俣未来づくり公開討論会2006
議事録
神吉 先に宮本さんの方からですね、基本理念、水俣市政の現状認識とビジョン、目指すべき姿というところを5分間でよろしくお願いします。
宮本 昭和42年4月、私の最初の赴任地水俣は、水俣川の川辺に桜の花が咲き乱れ、川に万遍の水、菜種の花、こんな美しい状況にかつて出会ったことはあったであろうか。一生住んでもいい町だと思ったのは今でも忘れません。そんな自然豊かな人情味あふれる水俣に、法律優先の論理、競争に勝ったものだけが残る。これらに翻弄された風潮が持ち込まれています。本来の人間らしい心を取り戻したい。このことを今一番強く感じています。日本人の心の文化が水俣の品格が失われようとしています。経済の振興、活性化が町を生き生きとさせ、重要な政策であることは承知しております。ただ、本当に幸せとは何か、やはり私は心の風位だと思います。一人ひとりが生かされているという意識がなければ一時的に潤っても長続きしないし、本来の目的を見失う危険性があるということをしっかり抑えて市政にあたりたい。そんな風に思っとります。今年水俣は水俣病公式確認から50年という節目の年を迎えました。水俣病を未来への貴重な資産として紳士に受け止め、思い起こす年だと思っとります。この節目の年に、環境モデル都市を目指し、市民の皆様とともに歩んだ環境へ配慮したやさしい街づくりをいっそう進め、未来へ伝えなくてはなりません。環境モデル都市とは、人の営みと自然が協和する町づくりを理想とします。これを求めていく時、経済も教育も福祉も必ず伸びていくはずです。これを踏まえ、何をさておいても取り組まなくてはならないのは、産廃処分場の建設の問題です。私のすべてをかけて阻止いたします。反対の理由はこれまで市民の皆様が懸命に作り上げてきた環境への配慮に欠ける施設であるからです。水俣市民や企業は一歩一歩苦しむ中で作り上げた分別・再資源化の努力や誇りを踏みにじる分別されていない無責任な行為が水俣市内ではなく、他所から持ち込まれる非常事態を容認できないです。確かに、水俣市から出るごみは水俣市内で処理すべきです。そのため、市民は一丸となって暮らしそのものを変え、市内の処分場の寿命を延ばしてきました。その活動においては子供たちに誇りを持って受け継がれています。その未来へ生きる子供たちに責任を押し付け、そして将来さえ奪いかねない施設の建設を黙って見過ごすことはできません。水俣市の行政当局がどんな対応を取るのか世界が注目しております。法の基準を満たせば反対しても阻止は無理、県は許可せざるを得ないと言われていますが、まだ、建設調査の段階で許認可権のある県には建設の申請書すら出されていないのです。私はこの問題に対して市役所の中に、各課から人を集めた特別チームを作ります。そして市民の皆様の要望を尊重し、先頭に立って阻止に向けて活動を展開していきます。最終処分場にかかる法律は産廃処理法だけではありません。水道法といった各種の法律を尊重し、市役所のうちだけでなく、専門家の協力を仰ぎながら科学的な調査資料を基に国や県に向けて訴えていきます。現状の計画では産業廃棄物のみならず、他所の市町村から出た家庭ごみまで受け入れようとしています。水俣市民の努力はいったいなんだったのでしょうか。岡山県・・・(時間切れ)
神吉 宮本さんすいません。産廃問題は後でゆっくり議論をしますので、今度は江口さんの時間がきましたので。皆さん、産廃問題はですね、このあとたっぷり時間をとって行いますので、江口さん、江口さんのですね、ローカルマニフェスト表面を皆さんお持ちになってください。よろしいですか。はい、それでは江口さん、5分間で同じく水俣市政の現状認識と長期ビジョンをよろしくお願いします。
江口 はい、私の方は、以前からわかりやすい市政を政治をというふうに思っとりますので、抽象的な言葉は避けて、単刀直入に直球で行きたいと思います。いろいろとお話ございました。私4年前に市長選に出る前に公約として申し上げましたのが、環境ということで水俣市はがんばってまいりました。しかし、環境だけでは生きていけない。この不況で苦しい生活をしているという多くの方々の言葉を受けまして、環境と経済の両立なくしては水俣の市民の幸せはない。そのような考えで、経済と環境の両立ということを公約にしてまいりました。今でも、その気持ちは変わっておりません。きれいごとでは市民は生きていけない、そのように現在でも考えとります。また、健康とは体だけの健康ではなく、心も健康でなければならない、そのように思います。ストレートにいかせていただきますと、現在の水俣というのは、地域経済の低迷と、そして少子高齢化が進み地域の活力も低下してきている。また、国の三位一体の改革により、市財政も危機的状況にあります。危機的状況と申し上げるよりも、水俣市始まって以来の財政難、また、私が市長になって財政を見たときに、今までの市の中で借金の返済が多い時期が平成14年から今年まででございます。しかし、昨年、市民の皆様方また、市職員、議会の皆様方に協力によりまして、環境で行政の中で日本一となり、多くの行政が、企業が注目を集め、また、環境産業の誘致が順調に進んでまいり、熊本県下でも企業誘致率が一番となっております。また、市役所の皆様の大変なご尽力によりまして、行財政改革も九州では一位という地位を占めることにより、また、病院事業を始め外郭団体も黒字化になるなど、また、職員の20%の削減など、足腰の強い行政を実現させていただきました。公害の原点ともいわれる水俣病を経験し、環境には高い意識を持った水俣市民ではありますけれども、先ほども申し上げましたとおり、最近は活力ある、また、水俣市の子供やお孫さんが明るい水俣、活力ある水俣を求める声が現在高まってきているというふうに認識いたしております。また、これから目指す長期構想についてではございますけれども、先ほどももうしあげましたとおり、この全日本の環境首都コンテストで、全国総合第一位となりました。今後、将来都市像を市と環境、経済がもやい輝く町、エコポリス水俣として位置づけ、人づくりを基盤に、市民と行政がもやいの精神で協同しながら、地域資源をいかした自主自立の地域づくりを進め、さらに、持続的に向上する中で、環境と経済、そして、健康で安心安全な暮らしがバランスよく調和した水俣に住む人が誇りと自身に満ちて輝く町をつくりあげたいというふうに考えております。以上です。
神吉 はい、ありがとうございました。ここで江口さん、江口さんの方からお伺いしたいんですけれども、江口さんの場合は現職ですから4年間の実績というものがあると思うんですよ。まず3つ自分がやったことの実績をあげてほしいのと、また逆に3点ですね、こうゆうところがまだやり残している、出来なかった、3点3点ちょっと述べてほしいと思います。よろしくお願いします。
江口 そうですね、3つ達成といいますか、自分でよく出来たなと思っておりますのが、先ほどももうしあげましたとおり行財政改革であります。市役所の職員の皆様が2割、職員の方々をカットした。年間に10億4千万の人件費が浮き、また、長年にわたりまして市の財政のお荷物的存在でありました、総合医療センターの私の就任する前は3億円赤字でしたのを黒字に転換することが出来まして、そういう面では合格点をもらってもいいのかと考えております。次に、市職員の皆様の意識改革に取り組ませていただきました。最初の1年間といいますのは、市役所にだいたい7時50分ごろ出勤をいたしまして、市役所の部長さん課長さん方と交代で玄関に立ちまして、なるべく早く皆様方に出勤をしていただこうと、そのことがまず自分の職場を愛し、また、きちっと始めるための第一歩ではないかということで、意識改革に努めさせていただきました。最初私が市長に就任したときに驚きましたのは、タバコをすってたむろしていると、ですから、これでは市民から見てもおかしいし、やはり、市民の皆様がいつ来てもいいような役所を作らなければならないということで、意識改革を行いましたところ、朝8時半前にきていてもいつでも市の職員の皆様がどうぞと受け付けますし、つい先日も新聞の方で市役所の皆様方の窓口はすごいいいというふうなことを聞いとります。それともうひとつは、企業誘致のための受け皿づくりがそうとう市の皆様方の努力、また、市議会の皆様方の協力でよくなったと思っとります。つい一ヶ月前も約80人以上の雇用の木質系リサイクルの工場の誘致を決めることができまして、そういう面では、先ほどもうしあげました、県内で一番の企業誘致率を達成することが出来たというふうに思っております。それと・・・(時間切れ)
神吉 すいません、これはやっぱり出来なかったことを言ってほしいので、出来なかったことをなるべく簡潔に1分ぐらいであげてください。
江口 出来なかったこと、これは市役所の能力制の導入がまだ完全ではないということであります。それともうひとつ、せっかく湯の鶴、湯の児を活かした観光とか雇用の面をグレードアップすることができればと思っております。それと、教育について学校の勉強とかいうことだけではなくて、社会性、また、に飛んだ子供たちを育成することがまだ手付かずと考えております。
神吉 はい、ありがとうございます。今度は宮本さん、宮本さんは新人ですので、当然現職であられる江口さんに対する、やはり、不平とか不満があるから立たれたと思うんですが、さて、江口さんが先ほどですね、少し話しをしているなかで、もっと具体的に産廃以外で何か今江口さんが実績を述べられました3点できたこと、3点遣り残したこと、これに振られてもいいし、他にですね、何かあるんであれば、ちょっと話して欲しいなと思います。不満というか、やっぱり現政権というかですね、現職に対して不満とか不平とか、あるいは政策の違いとかあったからやぱっりこうやってですね、候補を表明されたわけですよね。3分ですね。
宮本 松下電器の創業者の松下幸之助という方はかねて社員に向かってこれをやれ、あれをやれと支持を出すのでなくて、どうしたらいいのだろうとか、あるいはどうしたら喜ばれる商品を提供できるのかと、問いかけながら自分の知恵をしぼった意見を出させると、そういった手法をとられたと聞いとります。その上で、社員一人ひとりの意見に耳を傾け、すばらしい提案は活かしていく、それによって職員の自主性を、あるいはやる気とか自ら考え提案する力がでてくると、そのようにして一人ひとりの能力を引き出していかれたというような話を聞いとります。私はまずやっぱり水俣再生の鍵は人材にありと思いますので、やっぱり市の職員を信頼し、そして、市職員の資質を高める取り組みを強化していかなければならないと。で、その中で、市民と向き合って市民とともに行う行政をやっていかなければならないと思っとりますのでやはり、一人ひとりの意見に耳を傾ける、一人ひとりの意見をしっかりと受け止める、そして、それを総合的にまとめていく。あるいは、それぞれ市役所の職員の良さをまとめて、どうその力を引き出していくのかと、その辺のところに私は力を注でいきたい、そういうふうに思っております。
神吉 具体的に時間がまだ何分ありますか。少しあります。具体的に宮本さんがですね、仮にリーダーと、水俣市のリーダーになれた時に、今批判されたこと、どう、どのように政策として改善していきたいとお考えですか。
宮本 対話の時間を一番たくさんとらなければならないと思いますので、やっぱり市長室あたりを開放したり、あるいは、ワイワイサロンとかそういった名称でもって、気軽に職員と話ができる、そんな時間を定期的に設定しながら、そして、職員との対話といいますか、それを強く進めていきたい。その中で、気軽に政策の話であるとか、そういったところが出てくればいいなとっそんなふうに思っとります。
神吉 この件に関しましては、詳しく行財政改革というテーマが裏の方にありますので、改めて聞きたいと思うんですが、まだ、そっちの方にはいかないんですが、お二人の話を聞いていると、皆さんもそう感じたんじゃないかなと思うんですけれども、やはり、長期計画、ビジョン、この水俣市が抱えている問題も含めて、さて、10年後この水俣市ってどうなっているんだろうか、あるいは、20年後50年後とですね、どうなっているんだとか、そこら辺のことが、ちょっとまだ、明確にわかりづらいところが、スローガンにしか過ぎなくて、どういう風にスケジュールを切って最終的に50年後の水俣というのがどういう風になっているのかというのを、もういっぺんだけですね、江口さんと宮本さんに各々話していただきたいんですね。特に、少子高齢化というのがやはり顕著に現れている地域だと思うんですね。それと同時に水俣病というある種の負の遺産を抱えている、この水俣の中でですね、それをどう位置づけながら、環境モデル都市という事をここは両者とも訴えているんですけれども、中身、具体的な中身がまだ見えないところがあります。ですから、その地域課題を的確にですね、捉えながらどうやっていくのかというところを今度は宮本さんですか、江口さんからですか、はい、江口さん。もう一度ですね、具体敵にですね、これを踏まえながらどういうふうにしていきたいのか、最終的に50年後には水俣市民の方々はどうなっているのかとうことを、もう一回だけですね、2分間、ちょっと時間が短いんですけれども、短的にお願いします。
江口 2分間問うのは短いんですけれども、どうなっていくかというと、市民の皆様方もたいへん危機感を感じていると思うんですが、人口が3万人を切りました。そして、少子高齢化、そして不況の波で本当に水俣というのは、ここにいらっしゃる皆様方はですね、不安におののいていると思います。ですから私、先ほど申し上げましたとおり、環境という水俣のすばらしい点を伸ばしながら経済性をまた発展させていくと。実績と致しましてはプラスチックリサイクルの工場やワクワーク水俣というペットボトルと福祉を融合させて、環境も融合させたペットボトルのリサイクル工場、それに木質系リサイクルの今回企業の進出協定、フルミンということで、みかんの皮を今まで捨てたのを地元の・・・
神吉 江口さん、実績はわかるんですけれど、江口さんの実績はおそらく皆さんご存知だと思うんですね。で、その実績を踏まえて仮に今度リーダーになれた、2期目です。2期目に何を残したいのか。その先には何があるのか。たとえばその、企業との融合って、これはやっぱり私も水俣をですね、やっぱりその地域性を考えると、企業誘致という面ではある程度成功していると思うんですよね。ただ、地場産業の育成であったりとか、その他の経済活動、ある種、経済と環境といった相反するものですよね、それをどう融合させていこうとされているのかですね。その先にどうなるのか。皆さんの生活はどうなるのか。どうでしょうか。
江口 わかりました。すいません。さっき言いましたフルミンという会社でございます。これは実はみかんの皮を使いました夏みかんを使ったサプリメントです。これは、熊本の企業と水俣の福田農場さんとの今まで皮を捨てていたものをリサイクルして健康食を作ったということで、エコポリス構想というものを書いているんですけれども、世界中の先進技術をこの水俣に環境モデル都市にすることによって、環境を守りながら、また市民の皆様方も苦労せずに苦労せずに企業誘致、また、将来環境未来都市というものを作っていきたい。人口的にもあんまり増やすとまた、弊害が出ますので、私と致しましては、だいたい3万人ちょっとか3万5千人ぐらいの町を目指しながら、本当に住みよい環境を守りながらの町にしたいと。そして、高齢化率も高くなってきておりますので、予防医学でですね、年寄りの方々が安心して暮らせる、長生きできるようなそういう健康な町を作っていきたいと考えております。
神吉 はい、わかりました。続いて宮本さん。同じ質問なんですけれども、宮本さんはどういうふうにお考えですか。
宮本 私は環境モデル都市というのを中心にすえて進めていきたいと思っておりますので、やはり、水俣市が街角にまったくごみがなくて、皆さんが生き生きしていて、そして環境教育が日本で一番進んでいる町だと、子供たちが他から訪れる人達にいろんな指導が出来る。そんな具合まで力が高まっている環境都市にしたいなと思っとります。また、特に、これからは地域の力というのをまずつけなきゃならない。地方分権の時代にあって、やはり、地域がどう力をつけていくのかというのがこれから非常に要求されていくことだろうと思います。したがって後ほど申し上げますけれども、それぞれの地域がそれぞれの特色を活かしながら、力をつけていく。そんな町ができたらなと思っておりますし、その地域の力によって高齢者の方々が生き生きと元気よくその地域の中で生活していく。そんな町ができたらと思っております。
神吉 はい、ありがとうございました。二人の方がですね、それぞれ水俣市の未来像というものを、まだ具体的ではないところがあるんですが、あとでですね、裏の方で地域経済とかいろんなことを話す中でだんだん出てくると思います。次のことについて討論を進めていきたいと思うんですけれども、そのお二人のですね、長期ビジョンを踏まえて、じゃぁ今現在抱えている産廃問題、これをどう位置づけたらいいのか。これをちょっと今からですね、討論していきたいと思います。江口さんですか。じゃぁ3分間で江口さんが考えている現在の産廃問題の認識というものをですね、どういうお考えを持っているのかを3分間でよろしくお願いします。
江口 この産廃問題については、まず結論から申し上げますと、先ほど宮本さんも申し上げられましたとおり、まだ県に申請書も出ておりません。昨日県庁の方に、この産廃問題の許認可の結論といいますか、判断材料はあとどのくらいかかりますかと聞きましたら、10年ぐらいはかかるというお話をいただきました。一番の水俣の産廃問題に近いところ、それも水俣よりも量が少ない地域でも12年かかったということでありまして、私の本音を申し上げますと、今回の市長選でこの産廃問題を争点になるというよりも、あともしかしたら次、またその次の市長選挙でこのような感じのお話をする、しなければならない次期ではならないというふうに考えています。ただ、そういいましても、それをほっとくということではなくて、企業との交渉に立ちまして、2つ出来る予定の1つを現在のところ中止をさせていただいておりますし、また、大学教授等を入れまして、産廃問題の検討委員会を水俣で独自に作っております。ですから、我々というのがあまり動いていないような言い方をされておりますけれども、出来る限りの情報というのも現在そろえておりまして、水俣市といたしましては、きたるべきにそなえて、やるべきことをきちっとやっているという状況であります。
神吉 江口さんにとっては、おそらくみんなもお伺いしたいとうかですね、関心ごとのひとつなんですが、手続き論から言うとやっぱりそのそうは10年といいながらやっぱりここ1年、1,2年というのがやはり、勝負だと思うんですよね。そういう意味で、反対なのか、その、あえて言いますが、賛成なのか、そのスタンスだけ明確にしていただきたいと思うんですよね。
江口 市議会でも何度も申し上げておりますけども、反対ということはこれまで議会でも何度も申し上げております
神吉 反対ということですね。
江口 反対です。
神吉 はい、わかりました。じゃぁ今度は宮本さん。宮本さんはどういうふうにお考えですか。3分以内でよろしくお願いします。
宮本 今市長は、反対ということをはっきりこうお答えになりましたので、大変心苦しく思っとりますけれども、これまで私が聞いてきた範囲の中ではすべて中立というかたちで押し通しておいでになりしたので、今反対と言われたのが非常に心外といいますか・・・
神吉 ちょっと待ってください。それは今討論するんじゃなくて、それは後から言われてください。今、宮本さん自身のお考えを聞きましょう。皆さんもいろいろあると思います。聞きたいことはあると思いますが、今は宮本さん自身がどう思われているのか、よろしくお願いします。
宮本 失礼しました。私は、先ほど申し上げましたように、これはやっぱり命に係わる問題でありますし、人間の尊厳に係わる問題だろうと、私はそのように思っております。その上に、これはこれまで実際に反対運動をして止まっている町があるということです。例えば、奈良県の天理市でありますとか、岐阜県の御嵩町というところは、きちっと今止まっているわけであります。で、止まっている理由は何かというと、これは水に関するお互いにやっぱり水俣と同じように水俣の場合は水俣川の上流に建設が予定されようとしてますけれども、この奈良県の天理市も岐阜県の御岳町も水に関係がある、それから市長が先頭に立って反対運動をしている、この2点で止まっているわけです。だから、水俣もまったくこれと同じような状況だろうと私は思います。だとするならば、市長が先頭をきってがんばっていけばこれは止まるんじゃないかと思いますし、ぜひ止めなければならないことだろうと思います。なぜこれを止めなければならないかということは、今日おいでになっている皆さん方が一番わかっていらっしゃることですし、あえて、それを繰り返そうとは思いません。
神吉 はい、ちょっと補足しときますね。先ほど宮本さんが言われた御嵩というところは今日実は町役場に電話して聞いたんですが、撤廃ということじゃなくって、凍結とうことで止まっているということです。正確に言うと。それはどうしてそうなったのかというと、やはり、住民運動とうのが1点、いやすいません。最終的には住民投票というのが1点と、もう一つは、やはり、市長選においてですね、7対3の割合でですね、反対している方が当選したというそういう流れがどんどん作ってきて、住民の間でもいろんな運動が起こってきたという経緯があって、県にも連絡しました、県にも聞いてみました。そうするとやっぱ県としてもやはり、住民感情とか市町村の意向を尊重したいということで、そういうふうになったというふうに言われていました。ちょっと参考程度にですね。ということで江口さんですかね。江口さん。逆にですね、今反対という立場を改めて言われたわけですから、どういうふうなスケジュールでですね、反対、市の行政として働きかけていこうとされるのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
江口 今、宮本さんの方からも中立ということを押し通してきたというふうに言われたんですけれども、市議会の中ではですね、中立というのは戦法であるというふうなお話は議事録にもきちっと残っとります。で、また、買い上げという提案を約2年ちょっと前にさせていただいたんですけれども、買い上げというのも戦法を変えた、はっきり言って産廃企業に進出をしていただきたくないというための阻止する有効な方法だというふうに私考えておりまして、ちょっと私、御嵩町とか奈良県の天理市について、お話をさせていただきますと、御嵩町の産廃処分場の進出が止まったというふうなお話にありましたけれども、私どもが調べた結果では、産廃処分場2つ出来る予定の1つはもうすでに出来ている、いうこと、それと御岳町のもう1つの処分場ができないことにつきましては、町道があり、また御嵩町が持っている公有地があったということで、そこを売らないということを町が言ったから企業が進出できていなく、現在のところ進行が凍結であるというふうにお聞きしております。それとまた奈良県の天理市にいたしましても、これは反対をして止まったということではなくて、許可は平成13年に下りとります。で、平成13年に許可は下りたんですけれども、そこの産廃処分場が採石場を、採石場は地面に穴を掘っていく採石場でございまして、そこの掘った穴を利用して産廃処分場の申請をされていたところが、自分のところが経営する建設会社が倒産したもんですから、許可は下りて用地はあるんだけれども、作る金がないとうことで、止まっていると。ただ、今奈良県の天理市の業者はどうしているかというと土地と許可を何十億かで買いませんかという営業をしているようでありまして、もし、値段の折り合いさえつけば、今からでも工事が始まるといったような状況であると奈良県と天理市から聞いております。
神吉 あの、奈良県の場合はですね、時間がなかったので私調べてないんですけれども、先ほどの岐阜県ですかね、御嵩ですかね。御嵩、そうは言いながらも、やっぱりそれは最終的にそうなったということであってですね、やはり、その流れがずっとあるわけですよ。平成7年とか9年とか、選挙があったりとか、平成9年に住民投票があったりとか、いろいろ流れがあったと思うんですよね。その流れの中でそういうふうに最終的に凝縮していったということが言えるんじゃないのかなというのが、岐阜県の担当の方の御岳町の役場の人の話だったんですね。でですね、私が聞きたいのが、その中で行政として、ちょっと今は他の市とか町の例ですけれども、じゃぁいったい水俣市としてですね、どういうふうにしてこれから展開をしようというふうにお考えなのか、もう一度ですね江口さん、2分、もうちょっと時間上げます。3分ぐらいで。
江口 あの、先ほども申し上げましたとおり、基本的、基本的といいますか、反対ということはもう申し上げました。ただですね、企業から情報をとろうとか、また、いろんな問題で交渉をしようと思った時に、反対と言ってしまうと、企業の方々が我々の意見に耳を貸さなくなるというふうな不安がございましたので、まだこの産廃問題というのは、もうちょっと時間があるもんですから、その前にいろんな情報を収集したいと。で、法的に止めようと思ったときには、科学的な根拠がないとなかなか法的には止められませんので、出来ればそういう法的な阻止するための情報を得たいという実は思いがありました。しかし、これを皆様方に好評をしてしまいますと、企業が用心されて教えていただけない可能性があるもんですから、なかなか中立以上のことを公には言いにくかったというのがございました。しかし、先ほど申し上げましたとおり、企業と直接対峙することによりまして、2つ出来る予定のそれもどちらかといえば危ないといわれている安定型の産廃処分場を止めることができまして、あとは管理型の方のそういう情報、また技術的な面というのを資料を出されてから、また先ほど申し上げました技術者の方、大学教授の方々の専門チームがございますので、そこで専門的に今後は検討していって、水俣にこないような対応をしたいと。ただ、もうひとつ水俣の市長としては難しいのが、止められたら最高なんですけれども、もしも止められなかった場合もこともやはり考えて・・・
神吉 そうですね、その話もあとでしようと思っていたんですよね、実は。そうですね、そういう場合もあります。その時にじゃぁどうするのかという話はちょっと後でですね、させていただいて、ちょっとそこの確認をもう一度いいです。ようするに、法的にって江口さんの方から出てきたのが、どうしてもやっぱ法的に関するとやっぱり県に権限があるわけですよ。市にないんですね。で、そうなると今言ったように科学的にきちんと根拠を持って法的に訴えるというのが1点あると思います。もうひとつはやっぱり政治的にどうするのか部分をやっぱりその中に出てくると思うんですね。ですから、あと政治的にはどうされようとされているのか。そういうことって何かないですか。ようするに県とか国にどう働きをしていくのかという部分についてはどうですか。
江口 実はもうすでにですね国・県とそうとうな話しを致しています。また企業がどうゆう企業で、また、技術的にはどうなのか、ということで本来でありますと資本的に余裕がない企業であれば、わざと裁判とか仮処分申請をして企業の体力を削り実現を不可能にするといった手法もございます。しかし、相手の会社というのが年商1千数百億の会社で一部上場の無借金会社ということで、これをしてもあまり効果がないと。それと、技術的な不備を突こうと思っても、実際経営を他所で黒○市というところでされていますので。しかし、止めようと思えば体力的には難しいですので、技術的な面、また水源の村というのを理由に、今後は専門家の皆様方と意見を交えながらそこを追求していきたいというふうに考えます。
神吉 ありがとうございます。今度は宮本さんですね。宮本さんは一応皆様のお手元に宮本さんの一番最初の今度はすぐに行う重要施策の丸1、その後、裏のですね、上記二つ以外の重要施策というところがあります。それの丸1に産廃問題に関して書かれています。最終的には正確な情報を市民に提供して住民投票を行う。これは政治的な意味です。しかし、住民投票というのは、拘束力は、法的な拘束力というのはありません。ただ、政治的な措置としては、こういうことをやっていこうということだと思うんですが。ここで、宮本さん、特にですね、もう一度ちゃんと具体的に改めてスケジューリング、要するにその丸1に書かれていることがありますね。これはすぐに行うってことですので、具体的に言うとちょっと具体的にちょっと読んでみますね。市長を先頭に市役所の全課から委員を選任し、特別チームを作るということですよね。それと水道法、各法律の活用と専門家の協力を得て、市自ら調査研究を行うということ。これはおそらく、今さっき江口さんが言われたこととそう変わりはないのかな、という印象を受けたんですけれども。ただ、ここに残り二つのことを書かれていますが、このことを一年間でやるっていうスケジューリング的にですね、これ本当に一年間で出来るのか、それとも、一年間で無理だったらどういったスケジュールで最終的に住民投票を、いつ行っていきたいとお考えなのか。そこら辺を含めてですね、改めてお聞かせ下さい。
宮本 いつまでっていうことは、いつ住民投票を行っていくかっていうことだけは、ちょっと考えておりませんけれども、とりあえずはまずは市役所の職員のそれぞれの課の中から代表を選んで、代表っていうか、係わってもらってプロジェクトチームを作って、ある程度いくというのがまず第一番でございます。それと平行して、やはり、専門家の方々にお願いしてまず私が一番疑問に思っているのが、やはり、この問題というのは業者が出された調査をされた、それが国が法の基準が満たされていてば出来るというような状況ですので、業者が独自に調査した環境評価というのが、果たして正しくなされているのか、というのをしっかり追求しなければならないんじゃないかと思います。
神吉 それは、そういう意味では、第三者で市自らやるんだからそれはそれでいいんじゃないですか。出来るってことですよね。違うんです。
宮本 いや、それは、やはり専門家の方にきちっと。
神吉 いや、もちろんそうですよ。私が言っているのはそういう意味です。ですから、それをやっていくことですね。それと他に。
宮本 他に、要するに、それを作ってやるって事と住民投票も含めて、それと今言いましたように専門家によってやらせていただくと。そういったとこが当面すぐに手がけていかなければいけないことかと、そういうふうに思っています。
神吉 ちょっと二人の考えって、そう変わりがないように聞こえるんですが。江口さんは逆に言えば住民投票までお考えなんですか。
江口 そうですね。私の場合というのが市としてやれることというのをいろんな限界とやっても意味がないのとございます。
神吉 そうですね。
江口 ですから例えば、今の話だとたぶん、失礼ですけど宮本さん、ご存じなかったと思うんですけど、県庁に聞いたところ10年ぐらい先の話ということで、今期の政策マニフェストということであげられてもどうなのかなと。それともう一つ、専門家をやとって分析するということを簡単に言われますけれども、いったいどれだけの経費がかかるのかという、現実的なところをたぶんあまり考えていらっしゃらないのではないかと。
神吉 経緯。
江口 経費。
神吉 経費、お金のことですね。
江口 そうです。ですからそこを考えたときに、例えば今の話を聞いとりますと、許認可は県庁がやるわけですので、県庁の方々があまり信用ならないというふうなお話にも聞こえますので。私どもといたしましては、当然データー等というのは、県庁もきちんと目を光らせて、特に水俣の○○ら、いらっしゃるわけですので、そこと連携して、分析をしなくてもいいものというのは当然向こうにまかせて経費節減を図りながらやっていくということが一番。先ほど宮本さんがおっしゃったとおり、多くの人達を信用してその方々の能力を引き出す、といったことをやっていった方が合理的かつ私は信頼性も高いのではないかというふうに考えています。
神吉 今言われたことですが、要するに、県は県で許認可するわけだから、それだけのちゃんとした調査っていうのをやっているんじゃないかなと思うんですね。私をそれに対してどういう市自ら研究調査を行っていこうと書いてるのですが、中身をどうやってやっていくのか、それはどのようなイメージでしょうか。
宮本 ちょっとその前にですね、一言お話をさせていただきたいのですが。これまでとってこられた、今日は反対と言われましたけれども、これまでとってこられた市長の態度というのは中立という態度で貫いてこられたわけです。私はこの問題に対して、中立という態度はないと思うんですよ。反対か賛成かどちらか。
神吉 だから今日皆さんも私も聞いていました。それは今日の討論会で改めて聞いて、もうそれは反対と言ったから、反対といったスタンスでいいじゃないですか。それを蒸し返すとおそらくいろいろ出てきます。それよりも先に進めたいと思いますので。じゃあ一つだけ。皆様不満を持っているんで、じゃあどうして変えられたのか。それとも同じスタンスの今日改めて皆さんのいる中で反対と言ったのか。そっちはそれどうですか。
江口 ちょっと会場もざわついていますので。
神吉 ちょっと皆さん聞いてくださいね。
江口 実はですね、議会ではそうとう宮本さんもその時は教育長でいらしましたので私の答弁を聞いてらっしゃる。さっきの天理市もそうですけど、これも天理市は反対で止まったんじゃないということは議会では2度申し上げておりますし、例えば買い上げですね。土地を買い上げるから出て行ってくれということも反対なんですね。ですから先ほども言いましたとおり法律で、これは例えば、だれが市長でもそうなんですけど法律というのは変わりません。ですから正面から反対ということで企業と戦おうと思えば、反対と一つ法律で戦うしかない。しかし、私が例えば、中立という言い方をしながら企業と交渉権を得たことで二つできるうちに一つを交渉しやめさせることができた。
神吉 すいません。まとめると非常にわかりづらいですけれどもそこで反 県に許認可の権限があります。市としては、そのことについては、法的なことについては口出しできないんですよね。
となると市が出来ることってかぎられています。そこは皆さん、ちょっと一つですね、おわかりいただきたいところですね。そのなかで江口さんは、もろに反対ということをやればなかなか逆に話がすすまないんではないのかな、とそういうことで中立の反対というちょっと複雑な言いかたをされたということ認識してよろしいいんでしょうか?
江口 はい、まとめていただいてありがとうございます。
神吉 そういうことでよろしいでしょうか?宮本さんも納得していないような所もあると思いますが、皆さんもいろいろ聞きたいことがあると思いますが、とりあえず、反対というスタンスはおわかりになったと思うんですね。とうことで宮本さん、よろしいですか?その件に関しては。いや、よくないというと、それを話すると、話が先にすすまないですよ。もう、恐らく平行線で、それは、それで、政治的なある意味で江口さんの手腕だと思うんですね。それどうするのか?とりあえず、今日の時点で反対といって今日はマニフェスト型の討論会ですから、今日江口さんがいったことというのは、皆さんも聞いていますので、それは反対というスタンスで皆さんも新たに認識されてください。はい、それで、言いたいことあります?じゃあ、どうぞ。
江口 もう一つですね、私が反対という証明をお話させていただきますと市議会議員の方々が、私を応援してくださる与党の方々がいらっしゃいます。この方々が、市議会でも産廃は反対ということをいってられます。この方々が反対というときに、私と意思の疎通なくしては、反対ということは今の信頼関係上ございません。だから、議員の皆様方は、与党の皆様方はそうです反対されてくださいと只、私だけは中立ということで企業に対してのパイプを残します。だからいいですよということで、何回も反対をされてきておりますので、そのこともですね、私の意志をあらわすことになるんではないかと考えられます。
神吉 はい、わかりました。このスタンスについては、これまでは、二人とも反対だということで、その上で宮本さん先ほどのスケジューリングの話に戻りますけども、ですよね、違いましたっけ。ちょっと、話がとんだんで、宮本さんに私が質問した内容としては、ですね、スケジューリングをこの一年間のなかでどう計っていくのかという質問があったと思うですけれども
宮本 先ほど、もうしあげましたけれども、まずは、すぐにでもプロジェクトチームを立ち上げるということが一つです。それと並行して専門家、その他とした調査をやるということです。それでも進まないような状況があればやはり住民投票にもっていかけなければ、ならないという、そういうことになると思います。
神吉 県に対しての働きかけというそういうことに関しては、どういうふうにお考えですか?さきほどの江口さんとの違いをしいていうのであれば、県との連携も含めてですね。なにかいろいろ考えられてると思うのですが。
宮本 プロジェクトチームを立ち上げますので、それといっしょに市民の方々も含めまして、県には状況をしっかりと説明して訴えていかなければならないとそういうふうに思っとります。
神吉 産廃問題もうそろそろというような声もありましたので、ちょっとですね、時間も押してますので次の課題に行きたいと思うんですけれども、やはり、次の課題はですね、裏のですね、マニフェストの裏のごらんになってください。江口さんの方をおあけになってください。行財政改革のテーマに移っていきます。このテーマはもうご存知のように先ほど江口さんの方からも話し合ったように、少子高齢化と人口が減っていると、其の中でどう財政を立て直していくのか、行政改革っていったらこれから人員削減とか一番に二人とも書かれていると思うんですけれども、人員を削減したりだとかいろいろなことをやろうとしています。職員の定数を減らす、管理していくということを書いています。そういうことになれば行政の仕事って変わらないか、増えていく一方ですよ。これから大変です。となると職員の意識改革、組織をどう変えていくのか。かなりてこ入れをしないともたない。それともう1点ポイントがあります。やはり、地域力をどうあげていくかですね、行政の仕事だけではできないです。サービスが。そうなると地域の方々がどう補完して行政の仕事を担っていくのか。そういったものがポイントになろうかと思いますが。江口さん。3分間で行財政改革の中身についてお話下さい。
江口 まず、一番に簡単に申し上げますと、収入役のポストを廃止します。これによりまして、1年間で約1千万の経費が浮きます。それと今後ともですね、適正な定員管理の、定員の管理と給料、特別手当を見直したいと思いますし、削減の数値目標を11%、行政職でありますけれども、それと特別手当の見直しを5%。それに来年度にはスポーツ振興課をですね、体育協会に委託し、経費の削減を図りたいと、というふうに考えています。それと行財政改革の推進及び事業評価のシステムの、評価の導入システムを入れたいというふうに考えています。それと、公有地の販売促進、及び公共施設等の民営化もどんどん進めていきたいと思います。公有地については今まで塩漬けといわれるものが多かったんですけれども、それを売ることによりまして、当然そこに新たな需要というものが発生し、また税収、市民の移り住むということも成功してきております。また、指定管理者制度というのをもう少し推進いたしまして、先ほど申し上げました体育館のスポーツ振興課を体育協会に委託することで、だいたい、そうですね、3千5百万ぐらいの削減がまた民間に期待をされるというふうになっとります、おおまかに。
神吉 ありがとうございます。今度は宮本さんのマニフェストの行財政改革をごらんになってください。はい、宮本さんよろしくお願いします。
宮本 はい、地方分権が進み、行政運営について自己決定、あるいは自己責任というのが求められている今日、厳しい財政状況の中で、市民が満足し誇りを持てる地域を作っていくためには、やっぱり現状を踏まえた緊急行政改革は避けては通れない、そういうふうに認識しております。しかし、それが単に市役所内部の行政体制を変えるだけにとどめるだけでは意味がないと。まず、市民にとってそれがどうなるかを考える改革でなければならないと、そういうふうに思っとります。そのためには市役所全体がその大きな目的に向かって一丸となって努力していかなければならないと思います。そして、組織を見直したり、不要なところがあれば削ったりするなど、常にそれらが市民サービスの維持向上につながっているのかをチェックしながら改正していくことだとそういうふうに思っとります。ただ、現状では国もまた地方にとりましても、トータル800兆円に及ぶ借金を抱え、財政状況は極めて逼迫したものがあります。税の伸びはこの後においても期待できず、市の財政の大変厳しい状況にあると、そのように受け止めております。今後も可能な限り自助努力もしなければならないとそのように思っとります。まずは、国に示しましたとおり報酬で市長、助役、収入役、教育長などの特別職の給与削減を行うことに致します。将来においては、収入役のポストの廃止を念頭に当面、助役、教育長ポストへの職員投与を考えております。それを始めとして組織の見直しには部と課の統合、例えば、現在市長局は3部で構成されております。今後、総合企画部と福祉環境を統合するとか、そういった組織再編を行って、政策決定を効率化を図っていきたいと思っております。また、事務事業の見直しにつきましては、市民の代表の方や、有識者などからなる第3者評価機関を設けて、各施設、事務事業の成果、効果を十分に検証するとともに有効な政策を選択し、直ちに出来るものは直ちに実行に移すなど、事業の重点化、優先化を計ります。さらに、市民や民間との役割分担を明確にした上で、コスト相当の民間の受け入れの枠を行政に最大限導入するとともに、事業の縮小・廃止、あるいは、利益と負担の見直しについても継続的に取り組んでいきたいと思っとります。改革を実現するためには考え方や手法は確かに重要です。しかし、それを実行するのは人です。
神吉 はい、お二人のですね、皆さんお気づきになったんじゃないかと思うんですけど、ひとつはですね、第3者評価による、評価機関というのを設置するというところが共通点だと思うんですけれども、今おふたりがいろいろお話をされたんですけれども、実はですね、もっと大きな枠でいうと今問われているのが、行政の役割と市民の役割っていったい何だろうということじゃないかと思うんですよね。やっぱり最近市民の目線でとか市民参画とかですね、市民参加とか、これ、どこの自治体でも言われるんですけれども、いったいじゃぁほんとに市民と行政の役割って、どういう役割を担っていかないといけないのか。まずそこを踏まえてですね、ちょっとこれ、いろいろお二人が言われているのわかるんですけど、何のための改革なのか。そこがちょっとよくわからない部分というのがあるんじゃないかなって思われるわけですね。江口さん、江口さんの方からまず先にお伺いしたいんですけれど、江口さんの考えるこれからの官の役割、これからの民の役割というのは、どういうふうに思われていますか。まず其の点を2分ぐらいでよろしくお願いします。
江口 私の場合、脱お役所仕事宣言、脱他人事宣言というのを申し上げました。先ほど、北川さんがモニターでありましたとおり、なんでも市長が市職員が市役所の人達が市会議員の人達がとよく悪口をよく言われます。しかし、選んだのはいったい誰だろうということで、情報公開度をですね、今熊本県で水俣市は100点満点の1位です。ですから、市民の皆様方にも市役所を、市がやることは自分たちも関係あるんだという意識を持ってもらいたいということで今がんばっておりまして、それと小さな役所にしたい、そしてどんどんこれから自治体制度を導入いたしますけれども、それぞれの地域にですね、いろんな財務を渡すことによって、あとはその地域でがんばっていただきたいということで、なるべく小さな役所を作り、そして、地域の自治体にある程度まかせていきたいと・・・
神吉 すいません、小さな役所って具体的にどういう構想でしょうか。
江口 そうですね、なるべく市役所がやることはなんでもですけれども、官としてやるべきことはやりますけれども、なるべく少なくしていきたい。ですから、指定管理者制度等を導入いたしまして、どんどん民間に出せるものは民間でやりながら、小さな政府とよく申し上げますけれども、そういったものにしていきたいと、そういうふうに考えております。
神吉 はい、ありがとうございます。あとでもう少しお話を伺いたいんですけれども。宮本さん、宮本さんはどういうふうなイメージが、要するに、官の役所の仕事と、民間のですね、住民の役割というのはどういうふうにお考えですか。
宮本 基本的には民の力を引き出すというのが官の役割ではないかなと、そんなふうに我々思っております。市役所、役所というのは、交通整理といいますか、言うとそういうふうな役目をしているんではないかなと。要するに、民の力を引き出すのが・・・
神吉 わかるんですけど、具体的に民の力を引き出すためには、宮本さん、何をやろうとされているんです。
宮本 まずは現在行われている事業を評価すること、さっき申し上げましたけれども。そして、見直していく。また、それを実施し繰り返し、事業の効率化を計ると。
神吉 それは役所内のやつでしょ。民の力を引き出すのはそれから先どうするんですか。
宮本 民の力を引き出すというのは、今第3者評価の、というような形の中で、民間の方をそのひとつの評価の中に、評価されるメンバーの中に入っていただいて、そして、評価をしていく。
神吉 ということを考えるんですね。すいません、なんで私がここまでいっているかというと、ここが私の本来の専門なんですね。で、専門というか、自治体経営とかこれまでもいろんなところを見てきました。はっきりいいます。ずばり言います。まず、行政評価システムというのは、ぜんぜん機能しません。ほとんどの自治体で機能していません。なぜかというと、行政評価システムというのは先ほどのビデオで見られたと思うんですけど、元三重県知事のそれこそ北川さん、マニフェストの提唱者です。彼がやり始めたんです。日本で始めて。で、しかもですね、行政評価というのは、政策、施策、最後の事務事業でやるのが必要なんですよ。事業プランですね。末端の職員の人達がいろいろなことをやってます。そういう末端の、行政職員の方々のまず自己評価から始まるんですね。それから施策と、最終的には政策と。要するに、ボトムからアップに持っていくんです。こんなのね、ぜんぜん役に立たないですよ。自己評価するから、てんこ盛りなんですね。ぜんぜんその、行政の効率化が図られているとか、削減がされているという話がほとんど聞けません。やらないよりはましだろうというような感じです。ぜんぜんやらないこともあります。しかも、第3者評価とここに書いてます。民間もって、今宮本さんが言いました。私もやったことが在るんですけれども、行政職員に聞くヒアリングなんですね。それと、行政から出されてた資料に基づいて評価していくんです。で、皆さん時間がないです。結構顕著な大学教授であったりジャーナリストであったりとか、いろいろいます。でも、皆さん忙しいので、15分ぐらいちょろっと見たりとか、ちょこっと見て評価するぐらいですよ。あんまり役立たないです。はっきり言って。それよりも、もっと市民を参加させる方法というのがあるはずなんですね。実は。ここでこれをずっとやってると討論にならないですけども、これからやっぱり考えないと、地域の中で考えないといけないのは、ひとつは政策の中に皆さんが、どうやっぱり、皆さんの意見をどう反映させようとしているのか、頭の部分です。下の部分にはありません。政策の部分、こっかに掛かる政策の部分で、やはり民意をどう入れ込もうかとしているのか、これがやっぱりひとつ大切だと。参画していく上でですね。もうひとつ、参画という意味では、お二人がここに書いている指定管理者制度という言葉、これは皆さん聞かれたことがあると思いますが、ちょっと高齢者の方々もいて、ちょっと知らないという方もいるかもわからない、ちょっと簡単に補足します。指定管理者制度というのは、今まで行政の施設、たとえばこういうところも公的な施設ですよね。で、これを、今度NPOとか民間の企業、企業の方々も含めてですね、任してもいいよということなんですね。能力があれば、行政よりうまく運営することが出来ればということです。で、もう1点だけいきます。今年の国会でですね、市場化テスト法というのが通過します。市場化テスト法というのはいわゆる江口さんが今さっき小さな政府って言って、小泉政権の中であげられてますけれども、要するに、極端に言えば、行政の仕事、今やっている仕事ですよ。それを民間ができるんだったら民間にまかせてていいよ。競争が始まるんですよ。今まで行政、行政の仕事って言うのは、行政の独占、専売特許でした。独占でした。それを、民間の住民の方々もしていいよと。これ自治そのものなんですよね。逆に言えば、皆さんの力が試されている、ていうように、言葉を変えるということが出来るかもわかりません。皆さんがやる気さえあれば、行政の仕事をどんどんやっていいと、いうようなことなんですが。それを踏まえてですね、もう1点だけちょっと言います。江口さん、そこのところ踏まえてどういうふうにお考えですか。最後ちょっと2分間だけお互いに願います。
江口 そうですね、出来るだけすべてそういうふうに民間の方々に任せたいとそういうふうな考えを持っとります。といいますのが、どうしても公務員法の関係上、公務員の方々の給料というのは高い、地方では高いもんですから、同じ事をやらせても、当然支出が大きくなる、ということで、民間でやりたいと、ただ、どうしてもですね、秘密等漏れたりとか、そういうところは当然契約する時にきちんとやるんでしょうけれども、そういう、やはり行政の公平性が求められるものについては市役所でやると、しかし、それ以外のものはどんどん民間に任せていきたいと。ただ、その中で気をつけなければいけないのは、やはり保障能力とか遂行能力がないところには出せない。でも基本的にはすべて水俣のNPOとかそういうやれるもの、やる気がある方々に出していければ非常に水俣も活力ある水俣になるし、また、市民の意識レベル等もあがるのではないかと、そういうふうに思います。
神吉 はい、ありがとうございます。宮本さんはどうですか。2分間で。
宮本 今言われましたように、やはり現在の指定管理者制度の促進とか、あるいは、今言われました現在準備中の市場化テスト法案、施行されるということであればやはり官の事業を出来るだけ民の方に開放していくということはやはり考えなければならないし、そうすることによって、官と民との競争原理が働き、やはりサービスの効率化とか、維持向上につながるのではないかなと、そんなふうに思います。したがって、例えば、てっとりばやいところからいきますと、公園の管理を移し、地域の自治会にまかせるとか。そういうことになるんじゃないかと思います。
神吉 はい、ありがとうございました。時間がですね、ずいぶん押していると思いますので、丸2の地域経済活性化にちょっと移らせていただきたいと思います。皆さん、地域経済活性化のマニフェスト、今度は江口さんの番だと思いますので、江口さんの地域経済活性化のマニフェストを。江口さんからですよね。宮本さんですか。すいません、宮本さんからだそうです。宮本さんのマニフェストをご覧になってください。はい、じゃあ、地域経済活性化策を3分間でお願いします。
宮本 世界的な視野を持ち、活動は身近なところからという言葉を、よく耳にしますけれども、私はまず、水俣そのものがどう力をつけていけばいいのか、このことを考えて、ここ水俣をまずしっかり見つめなおし、水俣に軸足を置いた行動を起こしていこうと思います。私たちの暮らしていくはここ水俣であり、そして、陣内であり、長野であるといった、地域自治体の基本体である小さな集落で営まれております。そして、この地域にはそれぞれの個性があります。その個性、歴史や文化、豊かな知識や経験、あるいは、暮らしの技術を持った人々がここにおります。これらを、有能な地域の資源を基盤とした個性ある元気な水俣作りに取り組みたいと、そういうふうに思っております。あそこに住んでいる人がどうしてあんなにも生き生きしているんだろうか、元気で楽しそうに暮らしているのだろうか、他の地域の人がちょっと覗いて見たくなるような、あるいは、住んでみたくなるような、そんな水俣作りが出来ないかなと、そういうふうに思っております。そのために、まず、水俣元気づくり推進室を新設します。さらに、水俣市をいくつかのブロックに分け、各ブロックに地域づくりの担当職員を配置いたします。これらの地域づくりの担当職員を中心に各地域の良さや課題等も含めて現状を把握することから初めて地域の人々と一緒になって魅力作りの計画を立てていきたいと思っております。それに基づきまして、各地域で事業を実施し、評価を行い、水俣市全体の活性化を図れないだろうかというふうに思っとります。また、水俣には先端技術の研究開発を行う環境テクノセンターがあります。このテクノセンターを中心に、これまで支援、協賛していただいた、市内外の学者や企業、あるいは技術者の方々の力を結集して、新しい技術やノウハウを生み出すためのプロジェクトチームを立ち上げます。そして、循環型社会の実現を担う、技術開発や商品開発を実現していきたいと思います。そして、これらの力を借りて、エコタウンへの企業の進出を強力に進めて雇用の確保を考えており、思っとります。さらに、その少子高齢化が進むなかで福祉に関する需要はますます高まっていきます。しっかりとした子育て環境や少子高齢化対策が必要とされます。深刻な地方都市の財政崩壊を抱えながらも、多様化する行政需要にしっかりと対応していくために、ボランティア団体やNPOの市民の自発的で広範な活動と積極的に連携し、支援しながら、子育て産業、高齢者対応産業が・・・(時間切れ)
神吉 はい、ありがとうございます。次に江口さん。はい、地域経済活性化策ですね。今度は江口さんのマニフェスト、ご覧下さい。はい、よろしくお願いします。
江口 それでは1番目は長くなりますので2番目からいきます。内容というのは、水俣極楽化計画。個性のある水俣の実現のために温泉や薬草、薬膳料理などでおもてなしをしたり、高額消費者というのは中高年の方々ですけれども、背伸びをしなくても今の水俣でもてなすことの出来る高齢者をターゲットにし、田舎料理、体験ツアーやオーナー制度、棚田や海産物、農作物などでもてなし、観光や地産地消を推進する、しようと思っております。それと、教育の環境整備いうのはですね、今、水俣というのは小中学生全て水俣市の単独の予算を使いまして、学力向上の指定校に熊本県でもこの水俣だけが、がんばって勉強して、がんばりなさいということでやっています。ただ、それだけではいけなくて、社会性豊かな子供に教育をしたいということで、例えば、はい何々さん、君は今日1日自分のお父さんになったつもりで1日行動してください、ということで、企業さえ許していただければ、お父さんがどういう仕事をしているか体験をしていただき、例えば、はい今日は1日お母さんになりました、子供から見たらお母さんはヨン様ヨン様とドラマでも見て暢気だなって思っているのが、こんな寒い時に、朝早くおきてストーブをつける、食事を作る、お母さんが簡単にやっているような見えても、実は大変だなということで、まず、自分の親、身の回りの方々に感謝をするような、そういう教育を実践したい。そしてもう1つ、はいあなたは水俣でコンビニエンスストアの社長になりました。店を作るなら水俣のどこにつくりますか、ということをですね、考えさせると、たぶん、皆様方もなかなか思いつかないのではないかと。よく一般的に言われるのが、じゃぁ市役所の前かなと、そうですね、でも市役所は土日休みですよと、じゃぁ土日儲からないなと、そういうことを考えさせたいと思います。ちょっと例えが悪かったんですけれども、目指せホリえもん、これはホリえもんがああいうふうになる前に出したものですから、こういうふうになったんですけども、なぜホリえもんと書いたかといいますと、アメリカンドリームといいますか、そういう人の象徴的なものであったものですから、今、第2中学校の方に、企業化支援の育てるための、ニューリーダー育成事業というのを九州経済産業省から予算をもらってやっとりますので、こういうことをしたいと、というふうに考えております。それと水俣未来の環境ミュージアムということで、世界中の先進技術をこの水俣に集めることで、県、国、大学、企業と連携しながらですね、皆様方が環境にやさしく、高齢者や生活弱者の方々と我慢せずに環境を守り続けて、そしてその環境と経済と連動しながら水俣の方々が新しい仕事を見つけると・・・(時間切れ)
神吉 ここでお二人に聞きたいことなんですが、ひとつはですね、同じことの繰り返しなんですけれども、やっぱりその環境と経済の融合、そしてその中でやっぱり、最後江口さんが言われたようにですね、地場産業、あるいは、地場産業の育成であったりとか、人材をどう育てていくのか、そこにつきるのかなと思われるわけですね。その辺について江口さんの方から、もうちょっと具体敵にですね、最後の水俣未来の環境のところとその教育の環境整備を絡めながらですね、これもちょっと2分間、もうちょっと具体的にですね、どういうふうにしたら地場産業が振興していくのか、環境と融合しながら、その点をお願いしたいと思います。はい。
江口 例えばですね、道路舗装についてもいろなもの売ってます。例えばリサイクルしたり、例えば雨水が浸み込むようなものといった、ですから、100メートルの中に10メートルずつでもいいから、いろんな先進技術を持った舗装をすることで、当然企業の皆様方も、行政の方は実績がないと採用できない。どこも日本中実績がないから、良い技術でもどこも使ってくれないんです。だから行政、水俣がそのハードルを低くすることで先進技術、私たちが吟味していいと思えば率先的に受け付けますよといいますと、日本中、世界中からこれを使ってみませんかというお話がよってくる・・・
神吉 ある意味で環境の、私は実はシリコンバレー、スタンフォードというのシリコンバレーに住んでたんですけれども、イメージとしてそこには世界中からいろんな頭脳集積が集まってきたんですよ。だからそれを考えると、水俣に環境技術を持った、あるいは、研究したいなと思っている、そういう優秀な人材を呼び込もうと、そしてそこでトライアルというか、トライさせるような制度ですかね、イメージとして。
江口 はい、そうです。
神吉 そういうことを考えていらっしゃると。
江口 はい。そのことによりまして、水俣に多くの流動人口が生まれます。当然、企業でも自分の実績を証明したい方は、水俣でやってますから見に着てください。そこで大きな流動人口が生まれることによって、企業というものも当然投資を水俣にするでしょう。で、例えば、水俣でそういう大きな流入人口があると、いろんな宣伝をするよりも、水俣で実績を作った方がCM効果があがる、いうことになります。当然、水俣でCM効果があがりますと、先進技術を持った企業が水俣に営業所をつくります。水俣の雇用が生まれる。またその方々が水俣の企業と提携することでいろんな事業が生まれる。その例が先ほど申し上げました健康食品のフルミン。そういう会社がすでに実現をはたしておりますので、そうやって水俣の・・・
神吉 そういう事例をたくさん増やしたいと。
江口 増やしたいです。
神吉 はい、そういうことですね。はい、わかりました。宮本さん、同じ質問ですけれども、皆さんがやっぱり思うのは、環境、誘致でそういう企業がきていると。雇用も生まれているんですけれど、地場産業と水俣市の、そういう意味では食い頭というかですね、それをどう作っていくのか。そこを中心に話して下さい。
宮本 私は環境モデル都市を進めていきたいと、そういう思いでおりますけれども、その中心的な柱となるのが、水俣にテクノセンターというものがございますが、このテクノセンターをさらに充実させていきたいという思いを持っとります。このテクノセンターを、事務局と致しまして、いわゆる実業のチッソをはじめ水俣にはすばらしい技術や、あるいは知恵を持った優秀な人材があります。今までの大量生産大量消費というわけでなく、循環型社会の環境に貢献する技術、そういった、あるいは、そういった商品の開発が今急がれております。そういう中で、この環境テクノセンターを中心に、例えば、バイオマスエネルギーの利用でありますとか、あるいはバイオマス素材の開発等、プロジェクトを立ち上げて、循環型の基礎作りをここでやっていくと。そうすることによって、水俣のいわゆる公害の原点でなければ成し得ないような事業に今後取り組んでいくと。そういうことで水俣の産業に大きな波を起こすことが出来るのではないかと。そのことによって、例えば、研究の資料を見て学生が集まってくる、あるいは、発展途上国あたりから、そういうことを聞きに来るとか。また、子供の教育にしても、子供たちの教育に環境を通して誇りを持っていける、そんな教育が展開できるんではないかなと。要するに、この部分を一所懸命にテクノセンターでがんばっていくことによって、実は、最終的にはエコタウンも沿道が出来るでしょうし、企業の誘致ができるのではないかなと、そんなふうに思っとります。
神吉 はい、ふたりの共通点としては、なにを中心にということに関しては、やっぱり環境の最先端の技術、技術を売っていこうと、いうところで共通点はあるんですね。手法は違うとしてもですね。その次にですね、先ほどのNPOとか地域の、宮本さんがここで触れられていることだと思うんですよね、丸1と丸3、それと、江口さんに関しては丸3。教育というところが、ちょっと手法は違うんですけれども、人を育てようというところではこれは一緒だと思うんですよね。ここをもうちょっと具体的に話していただきたいんですけれども。特に、福祉ということに関するとアメリカでもイギリスでもそうだったんですね。福祉の事業をどんどん民間と地域の方々に担ってもらう。これはやっぱり少子高齢化社会の中では、特に高齢化社会の中ではやむをえないという部分もあると思います。それと同時に、やはり次の世代を育成しないといけないということで、江口さんが書かれている教育という今後のことって言うのは非常に、水俣市にとって非常に重要な施策だと思うんですよね。この人づくり、町づくり、それを通じた町づくりということに関して、もう一度江口さん、教育を書かれているんですけれど、そことNPOとかですね、そういうことも含めて、どういった町づくり、人づくりをやっていこうと、産業というと視点というよりもコミニティービジネスだとかそういう言葉があるように地域ビジネスっていうのもありますよね。そういうことも含めどういう風にお考えですか?
江口 そうですね。私の場合というのは、意外と自立した町を目指したいという風に考えております。
なんでもかんでもこちらがどうぞということではなくてがんばる人達にはいろんなチャンスを与えます。しかし、方向性を決めることは自分でやってください。学校の教育もそうなんですけれども授業がわかりにくいから成績がだめだと先生がいいから、悪いからだめだということではなくて私は、自分がですね、将来何になりたいから勉強するんだと、そういったものをまず子供たちにモチベーションを高めるためのチャンスというものを与えたい。そのために例えば、世界中で経営者ゲームという、先進国でも発展途上国でもその国で一番優秀といわれる高校の生徒を寄せて経営者ゲームをやらせます。すると、だいたいトップになるのは発展途上国、先進国は後のほうというのは学校の勉強だけはやってきたけれども社会のことを知らない。というのが先進国には多い傾向がありましてそういうものをなくしたい。子供でありながら世の中をみて、よく育つそういう子供に育てたいそのためにはいろんなことを教えたいと、また、アメリカと比べますと企業が、自分で会社を興す率というのがアメリカが15%、日本は約4%しかなくてこの差はどこからきたかというと自分でそういうものを興したい。という自立した心が私は、日本には足りなかったのではないかということで市民の方々にもそういうライバルというか、いうことのチャンス、また、そういう方々がやるきになった時にはご支援をするといったようなものを今後は、
私は市民の方々に通じて発信すると同時にまた我々もそういう受け皿づくりを作っていきたいとそういう風に考えております。
神吉 すいません、教育のことはわかったんですよね、教育とプラス子供の教育ていうことだけじゃなくてですね、町づくりのための人づくりというのはどういうふうにお考えですかね。いってる意味わかります?宮本さんがここに書いている例えば、@の市内ブロック化、地域担当制ていうのはですね、福岡県だと筑後市でやってるんですけど、そこに校区別に職員を配置するんですよ、そこでずっと地域の課題であるとか地域のやりたいことの優先順位を決めるとかつってですね、必ず担当職員をへばりつかさせておいて一緒になって地域の課題を探って政策に反映していく
事業に反映していくというのがあるわけなんですけどね、そのことを書かれているのかなと思いますが、そういったこととか例えば福祉事業に係わるNPO支援でこれを拡大と書いていますが
、宮本さんですね、これが産業を推進すると違ってですね、小さなビジネスなんですけども、コミニティービジネス、地域ビジネスという言葉があります。そういったことに関しては、江口さんはどういう風にお考えなのか?
江口 そうですね。非常に似通った形でおもしろくないと思うんですけども、先ほども言いましたように小さな市役所をつくることでどんどんだしていきたいと、ただ、その私の場合、市の職員の方々を配置するのはいいのですけども、その事によって当然、市役所の方々は時間とか、経費をさかれます。例えば、自治会制度となったら、自治会の会長さん、当然、今、市議会議員の皆さん、とかいらっしゃいますので私としては、従来の形を変えずに、従来の組織がきちんと機能するようなものをもっていたほうが経費的には安いですし、時間もかからずに町に活力を注ぎ込むことができるのではないかというふうに思っております。それとですね、こういうことをいうと申し訳ないんですけど、役所の方々というのは形から入るものですから、自由な発想を呼び込みたいというのであれば、自治会の方々、地域の方々、市議の方々のほうが面白い意見とか、その出てきたところを多少削ったり、こういう制度がありますといったような紹介は市のほうでやっていければそちらのほうが面白いのではないかという風に考えております。
神吉 じゃあ、それでよかったら宮本さんの地域担当制にこれ行政職員じゃなくてもっと議員の方々とか、そうゆう方々に入っていただいくとお考えなんですか?
江口 民間の自治会長というのも今後市民の方々から選ばれます。
神吉 市民の方々が選ばれ、市民の方々と一緒にという事ですか?
江口 そうです。それが市民の活力といいますか、自助努力を引き出すことにになるというふうに思っています。
神吉 宮本さん、宮本さんはですね、今度手段のですね、環境モデル都市の上の段に所ですけど、商店街の金融支援、そのための市中金融機関との協議の定例化お書いてますよね。これ要するに貸付とか利子の軽減措置とかやっていくっていう事に書かれているんですけど、一つは商店街の活性化ということで訴えられているんですけど、具体的には貸付利子の軽減を図ることが商店街がもっと活性化するという認識ですか、もし具体的に話することがあれば
宮本 これはですね。市内の金融機関の方々が一番、商店街含めてですね、事情について詳しいんではないかと、そういうことで、そういった方々と協議会を持つことによって、それぞれ商店街の状況あたりを把握する。そして把握して上で具体的な手を打てる様に協議会を設立すればどうかと言うことです。
神吉 はい わかりました。そうですね話したいというか、もうちょっとやりたいですか、じかんの都合上もう九時にもうすぐあと十分ぐらいでなりますから、今度テーマB、Bにいきます、上記2つ以外の重要課題を優先的に挙げてください。という所です。皆さん見られてください。ちょっとこれお2人にですね時間がないのでちょっとだけ話して欲しいというお2人の違いが出ているところだけ話していただきます。江口さんこの中でお2人ぱっと見ただけで、一つはですね水俣イメージ転換事業であるじゃないですかこれに関して時間がありませんので2分ぐらいでなるべくよろしくお願いします。
江口 この言葉通りでございまして、風のはるか というNHKのドラマが現在放映されています、これですね大分県のフィルムコミッションという民間の団体の方々がですね、大分のすばらしい所を撮ってほしいという事で誘致をされました。今まで水俣というだいだいこう公害というイメージが皆さん頭に思い浮かびます。私は公害を教訓として生かしていかなければいけないと思いながらも、水俣というのはすばらしいとそうゆうイメージをこれから発信していきたいとかんがえておりまして、CM・ドラマ・たとえば映画などですね、水俣のいいところを、この50年という多くのマスメディアが注目して頂ける年にですね、そうゆうものを誘致をしていきたい。
そして公害の部分だけではなくて、きれいな所そして、水俣市民というものをぜひ出して頂いて水俣=公害から、水俣=すばらしと本当に水俣市民の皆様が自身とほこりを持って暮らせるような、そうゆう町にできればと心をこめてこのように書かせて頂きました。
神吉 はい、ありがとうございます。今度は宮本さんの番です。宮本さんの、上記2つ以外での中で教育畑の方ですので、教育環境の整備という所がありますね。これをちょっと2分間でよろしくお願いします。
宮本 まず、日本一の読書の町づくりをしたいということです。これ読書というのはご承知のようにすべての業務の基本であります。これは各課欠かすことのできない問題だと思っております。ある小学校で今「やどかり」という名称で保護者、子供の地域の人達が定期的に学校の図書館に集まって読書をしている事例が報告されています。これは読書の場であると同時に交流の場でもありし非常に効果を挙げていることでございます。諫早市で月の何回かを日にちとしある週、ある時間は至る所で読書が展開されている、でそういう町づくりを目指したいというのが一つでございます。それからもうひとつは、支援教育制度といいますのは当面は小学生の生徒を対象と致しまして市全体の方々に呼びかけて人選をして、そして学校の実態に応じて色々な終日の学習であったりとか、一斉学習に力を出していく、そんな制度を設けたいと思います。それから最近学校安全ですけれどいろんな方々で今実践してもらっていますけれども、やはり子供の命を守るということを最優先でございますので人員をきちっと配置して学校安全に努めたいとそういう事です。
神吉 はい、ありがとうございました。あと2人のコンセプトは同じなんですけど、皆さんB宮本さんB生ごみの負担軽減とAこれちょっとかつあいさせて頂きますので、読まれてください。こういうこともお考えになっていることで、ちょっと時間の都合上全部紹介することができないのですけれども、お読みになってみて下さい。最後のほうですね。市民の方々に公募でですね色んな意見を吸収し水俣JCの事務所にFAXとかインターットメールであったりとか色々問い合わせがあったんですけれど、これについてこれについて聞いてほしいという中に水俣病の問題があります。そこで今あらためて今、水俣病のことで県も国も動いている中で、宮本ですね、宮本さんが、水俣病公式確認50年という位置づけがありますので、どういう風にお考えになってて、これから水俣病を未来に向けてですね、どういう風に吸収されていこうと、そういうスタンスってゆうかですね、認識からちょっと2分ぐらいで話していただこうと、江口さん。いや宮本さんお願いします。
宮本 この水俣病問題は、避けて通れないですが、市民の皆様方もやっぱり深い思いがあるんではないかと思います。やはり患者さんの痛みしっかり受け止め、そして患者サイドに立って患者さんの皆様あるいは市民の皆様の声をまづしっかり伝えていくと、いう所から始めなければならないかと思っております。今回50周年の節目にあたりまして、私は教育の分野からいきますと、今子供たちは、水俣病の差別をどう解消していくのかっていうので力をつけてまいりました。これからはそうではなくて、それも含めてなんですけど、やはりこれからは新しい水俣を求めていく、そうする年によって水俣に生まれてよかった、水俣で育ってよかったとそういう子供たちが育つようなこれからを、水俣病の学習を進めて頂ければと教育の立場からそのように伝えたいと思とります。
神吉 江口さんはどうゆう風にお考えですか。
江口 はい、宮本さんからお話がありました通り、国・県にですね、やはり多くの人達の気持ちを伝えていくというのは全く同じスタンスでございます。ただ市長として伝書鳩でただ伝えるというだけではなくて、いったい何を出来るのかということをやはり現役の政治家として考えております。そういった場合に国・県から直接色んなことを引き出す、今回の関西訴訟の判決とか、今訴訟をされている方々のためにというと直接は難しいかもしれませんけれども、水俣の地域振興という名前を変えたやり方では引き出すことはできるのではないかという風に考えまして、同じ水俣の患者さんの皆様、水俣市民の皆様方のためにできることというのは名前を変えて、公式確認50年のチャンスにうまく引き出すということをやりたいと色々考えております。そして以前市長になってからずっと申し上げてまいりましてたのがなんとかグループホームを作って頂きたいというのもお願いしていました所これもよかったなっとりますし、また明水園との活用というのも今後やっていけばもう少し多くの皆様方に本当は開かれるのではないかという風に思っておりまして、本当にお困りの人の支援をしていきたいと考えております。
神吉 はい、今 認定制度という問題で、先日ですね伊藤知事がやはり国に対してですね、批判しているわけなんですけども、水俣市当事者として、水俣市としてですね国のスタンスについてどう思われているのか両者にお伺いして、しいて言う意見がありましてので、今度は江口さんですね、江口さんどう今思われますか。
江口 正直申し上げて、水俣市民の立場から申し上げますと、もう少し対応して頂きたいというのは本音の部分でございます。ですからただ、そうですね公に国に行って県に行って色んな話をしまして、向こうの例えば立場とか、前例とかいうものをやはりどうしても行政としては気にしますので、先ほど申しあげました地域振興なんだからという大気名文をいまくくっついけながら多くの患者団体の皆様方、また市民の人達に対しての色んなものを引き出せることが私は理想的であり早い近道であるのではないかという風に考えております。
神吉 はい、ありがとうございます。それでは宮本さん同じ質問ですけれども、県や国に対して認定制度に対して何か働きかけるとか言いたいことってありますか。
宮本 私はやっぱり今の段階では、患者さん方の痛みや苦しみは自分のこととしてしっかり受け止めそういうところからはじめなければいけないかなとそんな風に思っております。
神吉 はい、ありがとうございました。今まで約2時間弱ですけど。討論してまいりました。最後にですね、江口さん、宮本さんの方で言い足らなかったこと、があるんじゃないかと思います。こちらの方で端折った部分もありますので、今度は江口さんですね、3分間で、時間もありますので、言い足りなかったことっていうのを述べてください。
江口 すません、討論会ということで、ちょっと物足りなかったんですけれども、正直もう少し突っ込んで頂きたかったというのはございましたが、もう水俣にとってもあんまり言うぞってのはございません。私今日の討論会ではっきり思いましたのが、私具体的な事を率直に市民の皆様方に申し述べさせていただきました。自分の心構えとか、抽象論とかではなくて具体的に私は戦略また考えている事を申し述べさせて頂きました。ですからこれからこの事が、市民の皆様紳士に言葉で飾ることなく本当に心で受け止めていくということをご理解頂きたいと思います。また選挙 あっ、すいませ そんな前に係わりませず、さきほど産廃の問題でも中立ということを申し上げて、誤解受けましたけれども、市民のためには、私はいつでも傷を負うという覚悟で市民のために、いったい自分は何ができるのかということを全身全霊かけて今までやってきたつもりでございます。これから水俣にとって必要なのは本当の事をきちっと市民に申し上げるそういう私は市政が望ましいという風に考えます。今回この討論会というのも私、非常によい機会を作っていただきまして市民の皆様方も色んなことを考えるうえで重要な機会ではなかったかと、これからもですね、こういう機会を増やしながら、また市民とともにですね、行える市政というのを今後考えて行きたいと思っております。その事が先ほど申し上げました。脱お役所仕事宣言、役所の方もそういう殻を破りますけれども、市民の皆様方も脱人事宣言、言う事で自分達も一緒に参加しているんだとそういう気持ちでこれからも、我々をきちっと見守って監視し続けていく事がこの市政の発展につながるものという風に思っとります。
神吉 ちょっとこだわるんではないんですけど、しいていえば何を突っ込んでもらいたかったですか、私から何でかを言うと、私にしてみるとですね、ついでだからいうとあまり出てこないいんじゃないかと思って、抑え気味でやったんですけれども、しいて言えば何を突っ込まれて、逆に話したい事ってなかったですか。
江口 宮本さんを横に言いいにくいんですけれども、けっこうなんていうでしょう抽象的な話しが多かったと思います。
神吉 そうですね
江口 私たちの場合というのはやはり、結局まっすぐ2月5日が終わってから実行して行かなければいけないと、
神吉 でもね江口さんにしても、抽象的な所まだあったと思いますよ、これはお互いちょっとその点に関しましては、お互い中傷するのはやめましょう。
江口 ってではないです。
神吉 どういうことですかね。
江口 マニフェストって事で、現実可能なものというものを見たときにちょっとこれは不可能じゃない、こっちはもうちょっと具体的に
神吉 それはですね、江口さんが判断するんじゃなくて、このこられた有権者とかマスコミだっていますからね、だから江口さんが判断するんじゃなくて皆様が判断されて欲しいですね。マスコミの方も色々書いていったりとかするでしょうから、そこで判断すればいいでしょうかと思ってます。
江口 すみません。
神吉 よろしいですね、はい、宮本さん
宮本 私は、やっぱり産廃問題、これをまず中止に向けてがんばっていきたい、そう思っとります。市長はまず市民のためにあるという事で、市民の多くが処分場を作らないでほしいと願っていると私はそう信じております。私は市民の皆様の意向に沿って産廃を止める事を全力を尽くしたいと思います。
神吉 はい、ありがとうございました。ちょっと待ってくださいね。拍手は片一方にはだめです。両者に対しての拍手だったらいいんですけれどもですね。これで討論会自体はおわりますけど。